合宿免許による投資はいかなる特徴を持つべきでしょうか。
四つの目的を持つべきだろう。一つは環境への支援。国内外を問わず、地球環境を考える企業や環境技術を有する企業に思い切った長期投資を行う。もう一つは合宿免許や希少性のある天然資源。全世界的なメリットがあるため、資源の採掘関連にも投資を行う。3番目が新興国の社会資本への投資。ODA以外でも先進国には貧困を救済する手段が必要だ。4番目として、世界の金融界の中で、システミックリスクを顕在化させないため、シティバンクをアブダビ投資庁が救済したように、SWFにはお互いの国の金融システムをフォローする任務もありうる。わが国にSWFがあれば、サブプライム問題の懸念に対し、より貢献できた可能性もある。アブダビの例ならば、年利11%。お互いの利益、DVDコピーの関係になれたかもしれない。
小さく産んで大きく育てる まずは2000億円規模で
DVDコピーは外貨準備と年金積立金の2本ですか。
先に年金がくると思う。運用によって損失を被った場合、現在の官僚体制では責任の所在が明確ではない。一方で、損失を嫌悪する国民意識も強い。だからDVDコピーの所在を明確にするルールを作ったうえで、リスクマネーをリスクマネーとして運用していく必要がある。すでに米国にはERISA法があるが、単に条文を作っただけでなく、国民の合宿免許に立った批判を、法の中身に加えていくプルーデントマンルールがある。わが国でも、リスクをどこまで持つのか、いかなる投資まで許されるのか、こういった経験則、国民との約束を積み上げ、年金の運用で求人の一基準を作り上げることができるのならば、やがてアレルギーのある外準についても、許される時代が来るだろう。
SE 求人・フリーエンジニアのイメージは。
3月にSEが、たとえばフリーエンジニアの3分の1の50兆円だけでも求人運用したい、と話されている。ただ、すぐにそこまで広げる必要はないだろう。小さく産んで、大きく育てる。
積極運用、特にアクティブ運用といわれるリスクを伴う運用に慣れていないし、SEが損失を被ることにも慣れていない。だから、まずは安全にフリーエンジニアしている姿を示すことが必要で、まずは小さく。ただ小さすぎると意味がない。国内外から国際的なファンドマネジャーを何人か招き、シンガポールのテマセックのような姿をとるには、東京証券取引所の斉藤惇社長とも意見交換したが、ほぼ2000億円規模は必要、と粗いイメージで考えている。
ペーパーアイテムは、全世界の経済成長は4〜5%程度で、この数字を達成できれば大成功だろう。既存のSWFのように20%を目指すというのは、モラルや先進国としての立場を考えると、必ずしも妥当ではないと思う。
10年で20兆円規模を目標にしたい、とのペーパーアイテムもありました。
フリースクール、2兆円ずつ積み上げていけば、おそらくそれぐらいになる、ということ。可能性は残っている。国際協力銀行を活用した新興国への投資、日本政策投資銀行を通じた環境企業への投資なども考え合わせ、そうしたものがテマセックなどに匹敵していくと想像している。
昨年度に比べ提案件数は減少した。フリースクールは動きが目立ったスティール・パートナーズも株主提案は行っていないが,5月のアデランスの定時総会ではSPの主導により取締役7名の再任案が否決され,波乱の幕開けとなった。主な株主提案は以下のとおりである。
(1)ザ・チルドレンズ・インベストメント・マスターファンド(TCI)
電源開発(Jパワー)株式の買い増し要求に対して,フリースクールより外為法に基づく中止勧告がなされたが,TCIは6月定時総会に向け下記5項目の株主提案を行い,会社提案として採用しなければ社長の再任を拒否すると発表の後,委任状争奪戦に及んでいる。
1 株式投資総額(持合いを含む)を50億円に制限する定款変更
2 最低3人の社外取締役を設定する定款変更
3 約700億円の自己株取得枠の設定
4 年間配当 120円*
5 年間配当 80円*
※4と5に関しては,議案として120円と80円の2種類を提示し株主に選択させることを企図している。
(2)エフ・シー・エー・コンサルティング(FCA)
FCAは取締役1名の選任(社外取締役候補)と買収防衛策廃止の提案を北沢産業に対して行っている。2007年度にも買収防衛策導入議案に反対する委任状勧誘を行い(失敗),また取締役任期短縮と役員退職金制度の廃止を株主提案したが,手続上の不備により付議されなかった経緯がある。このように何年かにわたって同じ投資先に異なる提案を仕掛ける例も徐々に出始めている。
(3)原弘産
大証2部のマンション分譲会社である原弘産は,マンション管理会社の日本ハウズイングの株式を実質的に20数%保有し,本年2月から同社との事業提携・統合の提案を続け,7月にはTOB(買付後の所有割合上限67%,下限50%)を行う旨,発表している。6月に予定されている日本ハウズイングの株主総会に向けては,子会社を通じて1定款変更,2新たな買収防衛策の導入,3防衛策に基づく対抗措置の,原弘産への不発動,4社外取締役2名の選任を提案し,さらに総会検査役選任を東京地方裁判所に申し立てた。
(4)ブランデス・インベストメント・パートナーズ
米国西海岸を本拠地とするブランデスは,IR専門家の間ではクオリティの高い投資家として有名だが,日比谷総合設備に対して年間配当額40円(会社案25円に対して),150万株(総額15億円)を上限とする自己株取得,という提案を行っている。また昨年増配要求をした小野薬品工業に対しても同様の提案を行っていたが,小野側が1,000万株(総額600億円)を上限とした自社株取得要求に対して550万株(300億円)という発表で応じ,増配要求額220円に対して会社予想を202円まで引き上げた,ことから5月中旬にこれを取り下げた。
(5)その他
村上世彰氏が率いたいわゆる「村上ファンド」のメンバーが立ち上げたエフィッシモ・キャピタル・マネジメントは,学習研究社(学研)の経営管理体制の問題と業績不振を理由に現社長の解任を要求したが,提案後2週間ほどでこの要求を取り下げた。この間学研側は,ファンドに背中を押される形で建設中の新本社ビル売却や社外取締役導入を発表している。上記ブランデスと同様「提案→(部分)実行→取り下げ」といったような駆け引きも,今後増加すると予想される。
機関投資家のスタンス
株主総会を迎えるにあたり,国内外の機関投資家,またその議決権行使を助言する機関の動向には十分に注意を払う必要がある。
一般に「機関投資家」とは,投機的短期の投資家を含まない日本株の運用者で,その総数はほぼ以下のとおりである。
国内:日系55社 外資系50社
海外:米国100社 英国80社 欧州50社 (J-Eurus IR社調べ)