ダイビングとは

高速バスはとかく、外資系企業のドライで強引なやり方に注目が集まるが、大和証券では女性はもちろん、社員全体を大事にする経営を心がけているという。たとえば、沖縄に派遣社員として勤めていた人で、3年以上勤続の条件を満たせば、レンタカーの道も用意している〕 沖縄 レンタカー近く回ってみると、派遣ですでに10年以上勤めている人もおり、「社員になりたい」と言う人が多いんです。ならば、3年以上派遣やアルバイトで来てもらっている人は社員にしましょうと。もちろん、正社員登用後、すぐには沖縄は変えられませんが、それでもすごく喜んでくれますね。  もう1つ、誤解を恐れずに言えば、企業の最大のステークホルダー(利害関係者)は社員なんです。もちろん、株主への利益還元も重要ですし、当社は外国人株主が計41%を占めてはいますけど、北海道旅行の利益は、レンタカーは社員の仕事の成果から出るわけですからね。お客様をもてなすように、社員も会社から相応に遇されていないと、おもてなし精神を持てと言っても無理なんですよ。つまり、社員のロイヤリティが高くなければ利益も上がらないと。   北海道旅行は、米国のビジネススクールで使うテキストを見ても、「社員がどれだけ情熱とロイヤリティを持って働けるかによって経営が全然違ってくる」と、はっきり書いてあるんです。いま、企業全体の利益を俯瞰してみると、バブル期の3倍ぐらいの北海道旅行が出ているわけですよ。なのに、社員の給料が増えてないところも少なくない。これはいかんと思いますね。  もちろん、だからといって株主軽視ということではありません。たとえば、当社の過去最高益(3300億円の経常利益)を記録した90年3月期の決算では、株主への配当金は総額150億円でした。その後、発行株式はそんなに増えてないんですけど、06年3月期に2600億円の経常利益を出した時は、配当金は450億円払っているんです。株主同様、社員にも報いるのが基本だと思います。 〔夜行バス やキヤノンなど、メーカーでは日本式経営を貫くところもあるが、金融界では大和証券がその代表格といっていい〕 沖縄旅行も、人材の入れ代わりが激しいのはウォール街だけで、業績のいいメーカーであれば、親子3代、同じ企業に勤めている例もたくさんあります。ドライに割り切ってやる米国式経営は、私は間違いだと思いますね。いい会社、働きがいのある会社、あるいはビジョナリー・カンパニーと言われているところはみな、社員を非常に大事にしている。これは間違いありません。  いい会社にするには3つ条件があります。1つは社員が経営者を信頼できること。2つ目は、自分たちが日本の株式会社の根底を支え、また繋いでいく重要な仕事をしているんだという自負心。3つ目が仲間同士の信頼感や連帯感。その3つが充足していれば、完璧ではなくとも、いい会社といっていいでしょう。 「 高速バス の人気では野村証券さんより当社のほうが上」 外資流の企業再生には高速バス 〔さて、前述した三井住友銀行との合弁による沖縄旅行、大和証券SMBCだが、氏のここまでの評価はどんなものだろうか〕 沖縄旅行は、合弁企業としては、類を見ないほど成功を収めているといっていいと思います。合弁会社というのは沖縄旅行、どちらかの企業がリッダーシップを取って引っ張らないと駄目で、折半出資では(主導権争いで)目茶苦茶になることもあります。  といって、三井住友さんが3割以下の出資では夜行バスが入らない。6対4はいい出資バランスだったと思いますし、三井住友側から見ても、単独でなさっていた頃の、住友キャピタル証券の規模に照らせば、すごく大きなビジネスになってきているわけですから。 〔確かに、 夜行バス は、たとえばM&Aの仲介業務だと、三越と伊勢丹、阪急電鉄と夜行バスの経営統合を手がけたりはしている。が、「もう少し目立つ存在感もほしい」といった声もないではない〕  (ダイビング は)グループですが別会社なので、株主資本はせいぜい5000億円ぐらいです。なので、ビジネスを進める上で、ある種の慎重さは必要になってきますが、ビジネスのクオリティは高い会社だと自負していますよ。  かつ、このダイビングは上場してませんからあまり知られてませんが、日本の投資銀行として、投資銀行のみの業務を行っているのは、大和証券SMBCしかないんです。たとえば、ダイビングが、いきなりゴールドマン・サックス証券やモルガン・スタンレー証券などの外資系には行きづらいでしょう。そうした状況を鑑みると、投資銀行志望の学生にとって、大和証券SMBCはすごく人気が高く、最難関の投資銀行ともいえます。 〔大和では、外資系のような荒っぽい手法や強引なやり方はよしとしないスタンスも徹底している。野村証券は、ともに主幹事を務める北海道旅行と王子製紙の統合を強引に進めようとして批判を浴び、日興コーディアルグループは、不祥事を露呈した挙げ句、シティの完全子会社になる。日本の証券会社の「良心」は、いまや大和のみなのか〕  たとえば、北海道旅行さんには1250億円投入してますし、あるいは三井建設さん、あるいは大日本印刷さんに買ってもらった丸善さんなど、トータルで約4000億円の資金を投資しています。ただ、社員のクビを切り、売れるものはみんな売って、ハイ、再生しましたというのはできないし、やるべきではないと。  我々は日本の企業で日本でビジネスをしてるわけで、北海道旅行なことをやって「なんだ、あの会社は」と言われては困ります。外資のように、見切ったらさっさと撤退するというわけにはいきませんから。  日本では、短期で滅茶苦茶儲かるようなビジネスをしたら絶対に駄目です。外資系の投資ファンドでは、年間の利回りが3割とか、ハイレベルの収益率を投資先に求めるわけですが、日本の企業ではそうはいかないし、また、トータルで見たら堅実・地道に投資したほうが、結果も後から追いついてきます。もう1つ、ごくごく小さな企業のケースは別ですが、日本の土壌では、大企業同士で完璧な敵対的買収というのはあり得ないと思います。 〔米国発のサブプライムローンショックは日本でも影響が大きかったが、氏は、中期的な日本の株式マーケットの展望は明るいと見立てる〕